



1986年築、総戸数116戸でありながら、5階建の低層大規模マンション。こういうマンションは、地震が来てもびくともしない頑強さをもっています。
部屋自体は15㎡弱で1Rとしては小さめのお部屋でありますが、東急東横線の祐天寺駅から歩いて4分という好立地のため、賃貸需要は非常に根強いです。となりの中目黒と違い、低層マンションや戸建が立ち並ぶのどかな雰囲気でとても気持ちが良いです。
マンション内全ての部屋がワンルーム仕様ということ、そして東横線沿線は渋谷が大好きなファッショナブルな若者や新社会人が住む路線であるということ、を踏まえて当然にターゲットはこれから稼ぐ力を身につけて行く将来ある若者となりました。
オーナーはこの物件を空室状態で購入したのですが、購入当時の部屋の中身は非常に汚れている状態でした。前入居者が10年ほど住んでいたらしく、その間まったく修繕がなされていないので、汚いのも仕方ないんですけどね。でも、木枠・靴箱のドア・キッチン扉など全部が経年で黄ばんでいます。クロスとフローリングを綺麗にすると、こういった黄ばみってさらに目立っちゃうんです。この黄ばみもなくすような徹底的な工事をするとしたら、予算が合いません。
これは困りました・・・。この黄ばんだ色を上手に活用できればいいんですけど。
・・・そこでぱっとひらめきました。
まわりがもっと黄色であれば、この黄ばみも白く見えるんじゃないか!?そういうわけで、クロスの色はまわりの黄ばみさえも白く見えてしまわせる強めの黄色で決まりました。次は、床の色です。ここでナチュラル色の木目調をもってくると、全体的にぼわっとしてシマリのない空間になってしまいます。ここは赤みを帯びた深い茶色の床が合うでしょう。
ピッタリのものが見つかるもんです。ハワイに生息するコアの木をイメージしたフロアタイルがサンゲツからプロデュースされているではありませんか。天井はシンプルに白色で清潔感を出して、ソフト幅木も同じく白で壁と床の空間をびしっと区切る。
最後のカラーコーディネートが残っています。玄関ドアの配色です。カラーコーディネートの観点から判断すれば、同じ空間に3色以上は使用しない方がいいそうです。目が疲れて、落ち着かない空間となってしまうからです。なので、無難にいくなら、天井と同じ「白色」で落ち着かせるべきなのでしょうが、南米のカラフルで楽しい雰囲気を演出したかったので、ここは「ライムグリーン」で勝負してみました。
仕上がってみると、目論見通り、黄色クロスのおかげで木枠・靴箱のドア・キッチン扉の黄ばみが全く気になりません!むしろ、このクロスとのグラデーションで自然と溶け合っています。クリーニングに入った職人さんの力量に感服しました。ありがとうございます。
勝負をかけた玄関ドアでしたが、これも正解で、ライムグリーン色がお部屋のワンポイントアクセントになり、さらには空間にメリハリをつけてまとめてくれるではありませんか!?
リフォーム直後、早速このお部屋に法人からサブリース契約の申し込みがありました。来たるオリンピックに向けて短期滞在の外国人旅行客向けのサービスを展開するとのこと。外国人なら間違いなく気に入ってくれると信じています。