



1973年築、総戸数294戸の大規模マンション。夜には完全オートロックとなる玄関。ファミリーの居宅も多いため、セキュリティに対する関心の高さが伺えます。こういうマンションに住むと安心ですよね。
3基あるエレベーターに乗って3階に下りると、まず目につくのがキレイな共用廊下。定期的に清掃されているのは間違いないですね。その清潔感ある廊下を歩きながら部屋の玄関ドアを開け部屋に入ると、奥のバルコニー側の窓から牡丹公園の緑の木々が目に飛び込んできます。
広めのバルコニーに屋外用のテーブルとチェアをつい置きたくなります。オフの日などはここでコーヒーで一服しながら読書するのも贅沢な時間の使い方ですよね。3階部分なので、歩行者の目もあまり気になりませんし。
南向きの間取りなので、日当たりも抜群です。目の前は公園なので日差しをさえぎる高い建物もないので、洗濯物の乾くスピードは早そうです。
部屋のデザインのコンセプトを考えていくうちに、門前仲町という人情厚い下町の雰囲気を全く無視して、ただ単に「バルコニーから美しい公園が見える」ということだけで「箱根の森美術館みたいなアーティスティックな部屋」を作りたいと考えました。
そこでまず、壁一面を全て真っ白に塗装しました。コスパを常に考える賃貸住宅では壁紙を使うのが一般的ですが、あえて塗料を使いました。凸凹面や穴が開いたところはパテ処理で平らに下地処理。それから、アクがでないようにシーラーを2度塗り。乾燥したのを待って、白の塗料もさらに2度塗り。
仕上がってみると、壁紙にはない塗装独特の温かみが感じられます。ところどころ、ローラーにつけた塗料が均一に塗られていないためによる凸凹感もありますが、その不完全さがまたいいですよね。
まっ白なキャンバスがこれで出来上がりました。あとはアーティストさんの心ゆくままに描いてもらいました。遊び心をくすぐられる空間で借り手のイマジネーションを刺激する、そんなお部屋が出来上がりました。
賃貸市場が動かない11月初めの募集でしたが、リフォーム後わずか1週間で申込みが入りました!デザイン、賃貸業者とのコラボによる賜物です。
借り手さんは男性の方でしたが、残りのキャンバス地になにを書き足していくのか楽しみです。